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南三陸べニアハウス

2012 / 宮城県

東日本大震災後の被災地において、仮設住宅における住環境の改善が求められる中、特にお風呂に関する要求が数多く挙がっていました。家の狭い風呂よりも大きな風呂に皆で一緒に入りたい。そんな従来のコミュニティの結束を促す共同浴場が期待されていました。

 

南三陸べニアハウスは、共同浴場計画の第一期として、地域の人々が気軽に立ち寄れるスペースとなるよう設計・建設されました。宮城県産の間伐材から作られるべニア合板を用い、プロの技術に頼らず学生や一般の人々によって組立てられる簡便で廉価な、かつ地域産業の振興や環境改善に貢献する建築構法となっています。

 

まず、市場に最も出回っているべニア合板の三六板(910x1820mmボード)を無駄の出ないよう455mm単位で分割し、それらに組み立て用の切り込み(ノッチ)をプレカットで入れておきます。これらノッチを相互に差し込むことで部材同士を接合し、端材とビスを用いて補強しながら組み立てていきます。

 

組立てが簡便で解体移築も可能なこの構法は、被災地や緊急・仮設的な建築の需要に適しています。また、部材のプリファブリケートによって、より迅速なシステムを追及していくことが可能となります。

TEAM: 慶應義塾大学SFC(設計施工)、小林・槇デザインワークショップ(設計施工)、宮城大学平岡善浩研究室(設計施工)、鈴木啓(構造)、株式会社ホーム建材店(プレカット)、地域住民(施工)、他

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